WellbeLaboより良いペットの看取りのために

2020年7月15日

より良いペットの看取りのために

「まだ若いから」、「高齢だけど元気だから」と、
いずれ訪れる看取りは、
できることなら考えたくないことです。


その事態に直面した時、
多くの方が仰る“ある言葉”があります。
それは、
「かわいそうだから、なるべく自然のままで。」
です。


厳しいようですが、
考えないようにしている、
思考停止している状態の時に、
このような言葉を発することがほとんどです。


“自然のままで”というのは、
“放置”であることと
紙一重です。
病態が急速に悪化して、苦しむかもしれません。


最期の最期に
望まずして、不本意ながらも、
飼い主としての責任を放棄してしまう
ことにもなりかねません。


ただ、無理もありません。
ペットの終末期から看取りまでのプロセスでは、
飼い主自身が
直ぐ選択し、直ぐに決断しなければならない
ことが沢山あるからです。


その現実に直面した時に、
考えないようにしてきたことを
後悔することがないように、
そして、
納得できる看取りが少しでもてきるように
その時どうするかを考えておきましょう。

犬や猫は、人の4~5倍ものスピードで
年を取ります。
ですから、多くの飼い主は
ペットを看取ることは避けられません。


その時が来てから考え始める飼い主がほとんどでしょう。
ですが、悲しみの中で考える方が辛いものです。


そして、慌ててしまい、
大切なペットの終末期の過ごさせ方や
最期に不本意な選択をしてしまう
可能性もあります。


だからこそ、早い時期から、若い時から
看取りをシュミレーションし、
その時どうするかを
考えておくことが大切です。


1) 終末期の介護の選択 ~どう病気と向き合うか?
完治が望める病気だけではありません。
むしろ完治する病気の方が少ないかもしれません。
ペットのことを最優先に考えたいし、そうしたいのですが、
現実には、飼い主自身の仕事や経済事情などを踏まえねばなりません。


選択肢として、
1.病院介護:動物病院に入院して、治療・お世話を依頼する

容態が急変した場合にも対応してもらえるなどのメリットがある。
飼い主が安心である反面、費用が高額になる。
預けるので、飼い主が最期の瞬間に
立ち会えない可能性がある。
そもそもかかりつけの動物病院が
介護を目的とした入院に対応していないこともある。


2.自宅介護:飼い主自身が、自宅で介護する

動物病院に通院しながら、
飼い主が付きっきりで介護するので、
ペットが安心できる場所で最期を迎えられる。
飼い主も最期の瞬間に立ち会える可能性が高い。


3.訪問介護:動物看護師やシッターに自宅での介護を依頼する

飼い主が仕事などで留守にする際にも、
介護などのサポートをしてもらえる。


4.介護施設:専門の施設に預けて介護を依頼する

数は少ないものの老犬ホームなどがある。
飼い主自身が高齢など、
十分にお世話ができない場合に利用されることが多い。


2) 最期の選択 ~どう死と向き合うか?
いよいよ死期が近いとなった時、
どう死を迎えさせるか選択するのも飼い主の役割です。
残念ながら、
その選択が間に合わないことも多々ありますが、
飼い主自身の希望を決めておくことは大切です。


選択肢として、

1.延命処置:少しでも死を遅らせる
蘇生処置を含め、少しでも死を遅らせる方法です。
この選択で立ち合いに間に合うこともありますが、
当然間に合わないことも。
また、最期を迎える場所は動物病院になります。

2.自然死:自然に任せ、死を見守る
命の尊厳を尊重し、延命処置をせずに
自然に逝かせる選択。
自宅で見送りたい場合は、
必然的にこれを選択することになります。
ただし、自然死であれば苦しまないとは限りませんので、
どんな経過を巡って逝くのかを、
獣医師に確認して
心づもりをしておいた方がいいでしょう。

3.安楽死:痛みや苦しみから解放してあげる
痛みや苦痛が激しい状態になった時、
苦しみから解放してあげることができる。
但し、安楽死を拒否する獣医師もいます。
少なくとも、飼い主と獣医師の間に
十分な関係性が構築されていないと、
実施は困難でしょう。
(当然、望んで安楽死をする獣医師は
一人もいません。
また、獣医師だけでなく病院スタッフが
トラウマになることも多々あります。)


3) 火葬や遺骨の納め方の選択
どう葬るか?
一般的には火葬になります。
(自宅の庭などの所有地に、
亡骸を埋める土葬もあります。
公園など、所有地以外に埋めるのは
違法になります。)

自治体によっては
ペット専用の火葬場もありますが、
主にペットの葬儀業者に依頼することになります。
ほとんどの動物病院で、紹介してもらうことが可能です。

個別立ち合い葬:飼い主自身が立会いの下、1頭で火葬する
個別一任葬:亡骸を業者に預けて、1頭で火葬する
合同葬:他のペットと共に、合同で火葬する
自宅葬:炉を備えた専用車に来てもらい、自宅の駐車場などで火葬

どう供養するか?
遺骨の納め方は様々あります。

手元供養:自宅に祭壇を設けるなどして供養
自宅埋葬:敷地内に遺骨を埋めて供養
墓地供養:動物専用の墓地に納骨する
納骨堂保管:納骨専用の屋内施設で安置する

ニュース等で周知のことと思いますが、
中には悪質なペット葬儀業者もあります。
慌てて探すと高額な料金を請求されたり、
亡骸をずさんに扱われたりすることもあるようです。

事前に信頼できる業者を
調べておくことをおすすめします。


今回は、
「考えなくてはと思っていたけど、考えたくない」
ことを真正面から書きました。

気が重くなった方もいるかもしれませんが、
これも「ペットが居るWell-being(健康で幸福な状態)な生活」
には欠かせない要素だと思いますので、
この機会にご家族皆で話し合ってみてください。

著者

WellbeLabo

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