新型コロナより怖いペットのウイルス感染症
動物の間で新型コロナウイルス感染症の
調査を行ったハルビン獣医研究所
(鳥インフルエンザウイルスに関する中国の研究機関)
の結果によると、
豚や鶏、カモなどを含む家畜は
ウイルスに感染しにくいことが判明したそうです。
同研究では、猫とフェレットが
鼻腔内に投与されたウイルスに感染しやすいことも判明しました。
ちなみにフェレットは、
インフルエンザやその他の呼吸器系ウイルスにも
感染しやすいことが分かっています。
猫に咬まれて発症する一般的な人畜共通感染症は
「猫ひっかき病」です。
それ以外に、注目すべきウイルスの感染症があるのをご存じですか??
それが、
重症熱性血小板減少症
(severe fever with thrombocytopenia syndrome :以下SFTS)です。
SFTSは、2013年に日本で見つかりました。
マダニが関係(媒介)していますので、
マダニが多く発生する4月~11月頃までは、
特に注意が必要です。
このウイルスに感染すると
ほとんど人が発症して、
高い確率で重症化します。
SFTSは、2011年に中国において
新しい感染症として報告された病気です。
日本では、
2013年1月にSFTSの患者(2012年秋に死亡)が初めて確認されて以降、
毎年60~90名前後の感染が報告されています
2017年3月以前は、
この病気に感染して発症するのは人だけだと考えられていました。
しかし、2017年4月に猫、2017年6月に犬が
立て続けにみつかりました
もう7年も前に報告されているにも関わらず、
未だあまり知られていない感染症です
猫や犬から人に感染して発症したケースも報告されていますので、
新型コロナウイルスによって感染症に対する関心が高い今こそ、
多くの方に周知して頂きたい病気です!!
SFTSの病原体は、
ブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類される
新しいウイルスです。
感染経路は、
STFSウイルスを持っているマダニに咬まれる、
STFSウイルスを持っている犬や猫に咬まれる、または濃厚接触によります。
症状は、人では
・発熱、消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血)
・ときに、腹痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫脹、出血症状など
・致死率は10~30%程度
猫猫では、黄疸が多いこと、
下痢が少ないことが人と異なります。
また、死亡率が非常に高いことが特徴です。
・元気・食欲消失(100%)
・黄疸(95%)
・発熱(78%)
・嘔吐(61%)
・致死率は約60%
犬犬は、猫ほど黄疸の症状がありません。
・元気・食欲低下(100%)
・発熱(100%)
・黄疸(50%)
・消化器症状(75%)
・致死率は29%
このような感染症は、
高い死亡率、治療が難しい、ワクチンがない、特効薬がない
ことが特徴です。
ですから、予防が何より大切です
主にマダニが媒介するので
生息する場所に入る場合には、
長袖、長ズボンを着用し
サンダルのような肌を露出するようなものは履かない。
それ以外に、
猫―人感染、犬―人感染が分かっているので、
咬傷あるいは濃厚接触は避けましょう。
猫や犬の唾液・糞便・尿中からウイルスが排泄されることもあるので、
飼い主は注意が必要です。
また、草むらにはあまり行かないから
という理由で、
マダニの予防をされない方が見受けられますが、
猫や犬を飼っている場合は、ノミ・マダニの予防薬は使用した方がいいです。
グローバル化の時代になり、
人や物に付いて色々なウイルスも移動します。
そして今までなかったウイルスも
日本に入ってくるのが現実です。
脅威となるのは
新型コロナウイルスだけではありません。
科学的に正しい知識を持って、
猫や犬に接してほしいと思いますお願い
飼い主にとっても、猫にとっても、犬にとっても
健やかで幸せ(Wellbeing)な生活を望んでいます