私たち JMAA(NPO法人日本メディカルアロマテラピー協会)会員としては、全国津々浦々様々な講座やセミナーを開催する中で、「ラベンダーという精油はたくさんの種類があるので、精油の名称“ラベンダー”だけでは、各種ラベンダーの含有する成分が異なるため、メディカルアロマテラピーに利用できるラベンダーのみ使用しています
よって 「ラベンダーだから良いと言われています」とは決して言えません。


ここで気になるのは、“さてラベンダーと呼ばれる植物は実際にどれほどあるのでしょう?”ということではないでしょうか?いつかどこかで生徒さん、受講者さんから「では、どんな?どれほどのラベンダーがあるのですか?」という質問を受けた際、講師である貴方はどのように答えるでしょう。

講師さん: 「たくさんあります」「成分によって使えないモノが多いです」「土地や気候によって数百種類はあります」
生徒さん: 「では具体的に例えればばどんなラベンダー?」
講師さん: 「......」

講師さんへの対策例: 「メディカルアロマに使えないラベンダーがたくさんあって、それはそれは多すぎて覚えていないの。でも興味があるなら今度調べておきますね。」 


私の場合には堂々と「自身で使うラベンダーという精油以外は知りませんし、また知る必要がありません」と答えるかもしれません。

ただ現実には覚えきれないほどのラベンダーの種類はあったのです。
ご自身の知識のために、自信をさらに有するために知っておくこともよろしいかもしれませんね。

【私たちがメディカルアロマで主に使用するラベンダー】
1)ラベンダーアングスティフォリア
  ●エステル類の酢酸リナリル
  ●モノテルペンアルコール類の l(エル)-リナロールがほぼ70%程含有されていることで、主に炎症を抑える鎮静・鎮痛作用が使用されます。

2)ラベンダースピカ
  ●モノテルペンアルコールのリナロールを約40%は主に鎮静ですが、
  ●酸化物類の1.8シネオールも約30%ほど、免疫刺激・促進、他に去痰はあれど、JMAAの実績からは主にもう一つの成分のメリットが使用されます。
  ●ケトン類のカンファーが約15%ほど含有され、成分だけでみると昆虫忌避もありますが、より有効に使用するのが瘢痕形成(皮膚の治りを早くする)、主に火傷などに使われます。

3)ラベンダーストエカス
  ●数あるラベンダー系の植物でもこの精油は独特な成分を有しています。
メディカルアロマテラピー協会では成分に「ケトン、フェノール、芳香族アルデヒド」が、50%以上含有されている精油は皮膚刺激が強いので使用には注意を要することと決まりがあります。しかしこの精油は特定の用途にレシピとして利用した際には、非常に喜ばしい薬理作用である、脂肪溶解のためのケトンがほとんど(フェンコン約50%+カンファー約20%)です。使用レシピではセルライト除去のための『ダイエットジェル』や『デトックスジェル』です。まずそれ以外では、特殊な例以外では、使用しないと考えてよろしいでしょう。

さて今回の本題に戻りましょう!
【私たちがメディカルアロマで決して使用することのないラベンダー】
どなたからお声が聞こえてきそうです、「売っていなければ使わないというより使えません」
その通りですね。
先日フェイスブックやアメーバブログ、ここJMAAクラウドでもご紹介した“AOPラベンダーアングスティフォリア”があり、香りも良いらしいですが、実績のない精油としては、第三者へ勧めることは、今はできませんね。

「ラベンダーのグループ」として分けるとすると...
ストエカスラベンダーの中でも...
フレンチラベンダー/デンタータラベンダー/ペダンクラータラベンダー/ビリディスラベンダー/キャンディキャンズラベンダー/アボンビューラベンダー/ヘルムスダルラベンダー/マッシュウードラベンダー/ルイセリラベンダー等があり、自生地は地中海沿岸地方の平地から高地までと範囲が広く、それ故に同じラベンダーでも香りも成分も異なって当然です。

「スパイカラベンダー」の分類の中でも、スパイカラベンダー/ナナアルバラベンダー/ナナロゼアラベンダー/ミス・ドニングトンラベンダー/ヒッドコートピンクラベンダー/ヒッドコートブルーラベンダー/マンステッドラベンダー/ヘテロフィララベンダー/オカムラサキ/ブルーマウンテンラベンダー等と様々です。

「スパイカラベンダー」はイングリッシュラベンダーとも呼ばれますが、イギリスで発見されたものではないとのことで、1753年にリンネ氏によって「スパイカラベンダー」と命名され、ラベンダーアングスティフォリアやラベンダーラティフォリアが含まれることとなりましたが、1930年には“International Botanical Congress of the Pharmaceutical Society”によって改めて「スパイカラベンダー」となったとのこと。

ここでのIBCPSの“Pharmaceutical Society”という文字を見ても、ファーマスーティカル(意味=薬剤)という文字に“学問”であることを容易に理解でき、とても意味深で、香りによる癒しとは程遠く感じます。

また過去にニュージーランドで発売された書籍『エッセンシャルラベンダー』によると、葉や葉の形状によっても分類が成され...
A)  ストエカスタイプ
B)スピカタイプ
C)プテロストエカスタイプ
D)カエトストエカスタイプ
E)サブヌーダタイプ

これら5つのグループに分けられています。
ここまで見ても、どれほどのラベンダーが世界中に存在するかが想像できますね。

私たちがメディカルアロマで使用しない、または精油(エッセンシャルオイル)として存在しないラベンダーにも下記の各種が少なくとも世に存在することを知ることも、新たな知識の広がりとなるでしょう。
全般的にラベンダーはシソ科の多年草です。

4)フレンチラベンダー
5)デンタータラベンダー
6)ストエカスラベンダーアルバ
7)ペダンクラータラベンダー
8)ビリデイスラベンダー
9)キャンデーキャンズラベンダー(かわいい名前ですね)
10)アボンビューラベンダー
11)ヘルムスダルラベンダー
12)マッシュウードラベンダー
13)ルイセリラベンダー
14)スパイカラベンダー
15)ナナアルバラベンダー
16)ナナロゼアラベンダー
17)ミス・ドニングトンラベンダー
18)オカムラサキ
19)ヒッドコートピンクラベンダー
20)ヒッドコートブルーラベンダー(19番のピンクと共に素敵な名前です)
21)早咲き3号(花壇に良い、北海道で選抜された耐寒性のラベンダー)
22)マンステッドラベンダー
23)ヘテロフィララベンダー
24)ブルーマウンテンラベンダー(まるでコーヒー豆のような名前)
25)ハナモイワラベンダー
26)マッサドワーフラベンダー
27)ユーロングラベンダー
28)ソーヤーズハイブリッドラベンダー
29)ウーリーラベンダー
30)スイートラベンダー
31)スパイクラベンダー


ここからは一般の香りによる癒しのアロマテラピーでも語られる“ラベンダー(ラバンジン系)”の種類です。
ラバンジンとは、スパイカラベンダーとの自然交配や人口交配による品種で、特に南フランスでは人工交配により“栽培しやすい”良質の精油です。特徴としては生育が“早く”、耐暑性に“強く”、暖地栽培に適しているからこそ、世に出回りやすい品種と言えるでしょう。日本でもプラナロム社のラベンダースーパーに始まり、グロッソ、シール、グレイレディー等が人気種です。

32)グロッソラベンダー
33)ラベンダースーパー/スーパーラベンダー
34)オールドイングリッシュラベンダー
35)スコティッシュラベンダー
36)ボシストラベンダー
37)ディリーディリーラベンダー
38)ボゴングラベンダー
39)グレーヘッジラベンダー
40)グレーレディラベンダー


最後にペトロストエカス系のラベンダーです。
オーストラリアの業者が北アフリカなどで見つけた品種で、シダに似た葉が特徴的でファーンラベンダーとも呼ばれます。耐寒性が無いのが特徴と言えるでしょう。また数本の花穂に分岐して成長する性質はとても素敵ですね。

41)レースラベンダー
42)ピナタラベンダー
43)カナリーラベンダー


書けるだけ書いてもこれぐらいでしょう。
さらには品種改良や交配などで、現代の世にはこの何倍のラベンダーが存在することが容易に想像できますね。
本日は可能な限り簡潔に記載しましたが、日々の知識の向上、講座等の活動のお役にたてていただけましたら幸いです。

メディカルアロマで利用できるのは?

1)ラベンダーアングスティフォリア
2)ラベンダースピカ
3)ラベンダーストエカス

これだけです。

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